概要
本技術は、仮設工等で使用する大型土のう工で、土のうの底部を裂かずとも、紐を解く作業で中詰め材の排出が可能です。従来の大型土のうと比較して、紫外線に対する耐久性や強度に関わる性能が備わり、最大充填質量が1tから2tとなったことで、施工性の向上が図られます。また、袋に破損が確認されない限り対応年数(約3年)までの再使用が可能となることから、経費削減が期待でき、大型土のう袋の総使用数が少なくなるので、生産面から省資源やCO2低減にも繋がります。
最大充填重量2tで水分を含んだ土砂でも施工可能 |
排出時紐を解くだけで 底部全開になる構造 |
特徴
①従来技術との比較
・従来の大型土のうは、底部をカット等により中詰め土を排出していましたが、底部を全開構造したことで中詰め土の排出を可能にしました。
・従来の大型土のうは、原反の紫外線に対する耐久性が脆弱でありましたが、 紫外線に対する耐久性に富む耐候性安定剤を使用することで、長期仮設(約3 年)の使用を可能にしました。
・従来の大型土のうは、最大充填量が1tですが、最大充填重量を2tにしました。
②期待される効果(新技術活用のメリット)
・底部を全開構造とし、耐久性を向上させることで、袋に破損が確認され ない限り対応年数までの再使用が可能となりコスト縮減。
・中詰め土の排出時に底部を切り裂く作業から、紐を解く作業となり、刃 物等が不要となるため、安全性が向上。
・最大充填量が2tになる事で、水分を含んだ土砂でも施工可能。
・使用量が削減することで、大型土のう処分費用だけで無く、廃棄過程で 生じるCO2発生量も削減する事が可能となります。
③その他、追記、詳細・・・等
・従来の大型土のう工で使用していた大型土のうは、耐候性に脆弱であっ たため再使用が難しく、工事終了後は袋を裂いて廃棄処分としていたため 資源の浪費を招いていました。 本製品を使用することで、これら資源の浪費を抑制し、経費削減になります。
仮設土留め、小規模土砂運搬、クレーン作業による高所での土砂搬入・搬出等 高所での 搬入・搬出などにも
規格
品番 | 排出型大型土のう「Q-BAG」 |
---|---|
耐用年数 | 長期仮設(約3年)対応 |
本体寸法 | φ1100mm×H 1100mm |
最大充填質量 | 2t |
本体材質 | ポリプロピレン |
吊りベルト材質 | ポリプロピレン |
縫糸材質 | ポリエステル |
色相 | 黒 |
排出口 | 底部全開 |
※仕様は予告なく変更する場合があります。
適用条件
- ①自然条件
- ・特になし。
- ②現場条件 ・中詰め作業および設置作業ともに機械施工のため、重機等の配置可能なこと。
- ・バックホウを使用する場合は、据付に必要な作業スペースは、15m×15m(225㎡)程度とする。
- ・ラフテレーンクレーンを使用する場合は、据付に必要な作業スペースは、45m×45m(2025㎡)程度とする。
- ・3年以内の⼯事。
- ③技術提供可能地域
- ・技術提供地域については制限なし。
- ④関係法令等
- ・特になし。
適用範囲
①適用可能な範囲
・大型土のう袋の製作、設置、撤去が可能な現場条件。
②特に効果の高い適用範囲
・設置期間が3ヶ月を超える期間で、複数回転用する工事。
・その他家屋や道路に接するなど高い防護効果を必要とする、大型土のう袋の使用が必要とされる工事。
③適用できない範囲
・5分勾配より急な斜面に積み上げる方法は不可。 (加重条件を考慮し、別途安定性を確保する補強等を実施する必要がある。)
・据付期間が3年を超える場合。
④適用にあたり、関係する基準およびその引用元
・「耐候性大型土のう積層工法」設計・施工マニュアル[改訂版](一般社団法人 土木研究センター 平成29年10月発行) 第2章 「耐候性大型土のう」の性能 2.5 品質管理 20頁
・災害復旧事業における「耐候性大型土のう」設置ガイドライン(社団法人 全国防災協会 平成19年8月発行) Ⅰ災害復旧事業等における「耐候性大型土のう」設置ガイドライン 3「耐候性大型土のう」の性能 11頁